SMSLのDAC RAW-MDA1を導入したので使い勝手やメモなどを残す。
RAW-MDA1の特徴。
ESS社のES9039Q2Mを2機搭載
OPA1612Aを6機搭載
XMOS XU-316
MQAフルデコード
PCM768kHz DSD512対応
USB2と1の切り替えが可能で、USB1の機器の接続も可能でゲーム機などのUSB接続も可能。
価格の比較をすると
Topping E70 40734円
Topping E70velvet 50954円
RAW-MDA1 40879円
Shenzhenaudio調べ(2024/9/9時)
価格で見るとE70と同価格である。
■メーカー発表のスペックは以下の通り
Input: USB/Optical x2/Coaxial x2/Bluetooth
Output: RCA/XLR/HEADPHONE
THD+N: 0.00005%(-124.5db non-Weighting)
Line output amplitude:
XLR 5.2Vrms
RCA 2.5Vrms
HP 8.2Vrms
Headphone output power:
16Ω 2.5Wx2
32Ω 1.7Wx2
Output lmpedance:
LINE OUT 100Ω
HP OUT Near 0Ω
Dynamic range:
XLR 132dB
RCA 127dB
HP 122dB
SNR:
XLR 132dB
RCA 127dB
HP 122dB
USB transmission: Asynchronization
USB compatibility:
Windows 7/8/8.1/10/11(Needs Driver)
Mac 0SX10.6 or Later、Linux(Driverless)
MQA decoder: USB/Optical/Coaxial
Sampling rate & Bit Depth:
USB
PCM 44.1~768kHz(32bit)
DSD 2.8224~22.5792MHz(1bit)
DoP DoP256
Optical / Coaxial
44.1~ 192kHz(24bit)
DoP DoP64
Bluetooth specification: 5.1(Support SBC,aptX,aptX HD,LDAC)
Power Consumption: <30W
Standby power: <0.5W
Size: 189x45x179mm(WxHxD)
Weight: 1.02kg/2.24lbs
■価格について
RAW-MDA1は価格的にセールではない時は4万円代、セール時3万円程度のミドルクラスのDAC
この価格帯は対抗馬が多いと思うが、ToppingのE70無印やE70 velvetなどと性能比較しても遜色無いレベルのできだと思う。
なぜヘッドホンアンプにL70を使っているのに敢えてRAW-MDA1を選んだか。
DACの基本性能はToppingのE70とほぼ同じなのでL70との組み合わせを考える人はまずE70を選ぶと思う。
というのもL70とE70はトリガーケーブルで接続すると電源の入り切りを一括で行えるメリットがある。
どちらかの電源ボタンを押すだけで両機器の電源が一発で入れられる。あとサイズが同じなので重ねる際にもしっかりと重ねて設置ができるのがメリットである。だがしかし逆に言えばメリットはそれだけだったりする。設置の際の見た目と電源管理を気にしなければ敢えてTopping同士を合わせる必要も無いと思う。そこで他機種同価格帯で、E70よりも優れているであろう機種を探したところRAW-MDA1を見つけた訳だ。
RAW-MDA1がE70と比較して優れている点をあげてみる。
・同軸デジタル入力が2系統ある
・光デジタル入力が2系統ある
・USB端子がTypeCで電源供給にも対応している。
・MQAフルデコード
・SoundColorで音色を変えられる
逆にTopping E70よりも劣っている点。
・ヘッドホン出力はあるが4.4端子がアンバランス接続
・トリガーケーブルでの電源同期ができない。
・各出力先の音量保持ができない。
・横幅がL70よりも少し小さい。
・BluetoothのコーデックにaptXLLが無い。
・画面表示がLCD
■メリットについて
・同軸デジタル入力が2系統ある
・光デジタル入力が2系統ある
同軸デジタル入力と光デジタル入力がそれぞれ2系統ある為、RAW-MDA1の入力は
光1
光2
同軸1
同軸2
USB TypeC
Bluetooth
の合計6系統からソースを選択できる。
出力はXLRバランス1系統とRCA1系統とヘッドホン出力の6.35と4.4端子の4系統。
デジタル入力が4系統あるのは非常にありがたい。ゲーム機を接続する時も切替器を使う必要が無くなる。
・USB端子がTypeC
USB端子もスマホと直結可能なTypeCである
このTypeCは電源供給を可能であるようで18wの電源供給をしつつの運用が可能。スマホなどを接続する際の電源枯渇は避けられるメリットがある。
・MQAフルデコード
当方の利用環境ではあまりメリットは無いが、対応しているのは良い事。
・SoundColor
選択できる設定は以下の物
standard
RICH1
RICH2
RICH3
TUBE1
TUBE2
TUBE3
CRYSTAL1
CRYSTAL2
CRYSTAL3
標準を合わせると10種類から選択可能。
選べるフィルターもついでに記載。
・PCM FILTER
選択できる設定は以下の物
MINIMUM PHASE
LINEAR FAST ROFF
LINEAR FAST ROLR
LINEAR SLOW ROLL
MINIMUM FAST ROFF
MINIMUM SLOW ROLL
MINIMUM SLOW ROLR
7種類から選択可能。
※LINEAR FAST ROFFを選択するとMINIMUM PHASEになるバグがあるそうです。
■デメリットについて
・ヘッドホン出力はあるが4.4端子がアンバランス接続
RAW-MDA1はヘッドホン出力はあるが4.4端子がアンバランス接続であり、バランス出力を必要とする人には向かない。当方ははなからDACからのヘッドホン出力は使う予定は無かったので気にならない。
単体でDAC兼ヘッドホンアンプとして考える人にはマイナスかもしれない。
・トリガーケーブルでの電源同期ができない。
トリガーケーブルでの電源同期ができないという点もあくまでもTopping社製品との組み合わせの時の話なので、気にする点では無かった。
・各出力先の音量保持ができない。
各出力先の音量保持ができないという点は接続方法によっては多少のデメリットはある当方の運用スタイルでは問題にはならない。
・横幅がL70よりも少し小さい。
どうでもいいっちゃいい。
横幅は少し狭いが奥行きが長いため、RAW-MDA1を下にすれば、L70を重ねて置く事も可能だった。
・Bluetoothの対応コーデックにaptXLLが無い。
BluetoothのコーデックにaptXLLが無い点はそもそも日本の技適に対応した機器ではないのでどうでもいい。技適を無視して使う人にとっては、映画鑑賞やゲームをする際にaptXLLが使えないのは少しデメリットに感じるかもしれない。
・画面表示がLCD
画面表示がLCDなのも常時表示をするのには劣化が気になる点とそもそものパネルのクオリティがいまいちで白っぽい感じがする。まぁうちの場合は無操作時に画面消灯するようにしている。
とメリットデメリットを書いてみたが、当方ではメリットの方が勝った為、E70では無くこちらをチョイスした。
・DPLL
その他設定項目にDPLLという項目があり、0~15までの範囲で設定可能。デフォルトは5
※マニュアルにはデフォルトは7と書いてあるが誤りのもよう。
最小~最大
SMSLマニュアルを翻訳して引用。
(全15種類、デフォルトは7種類。数値が大きいほどジッターに適応する範囲が強くなり、
数値が小さいほど、クロック ジッターに対するパフォーマンスが向上します。) この DPLL 設定は特別なものです。
入力信号のクロック安定性が良好な場合、この値を減らすことができるため、クロックのパフォーマンスが向上します。
システムの方が優れています。
入力信号のクロック安定度が悪い場合、音が途切れる場合があります。この値を大きくすると
音切れを回避できる!特にテレビを信号源として使用する場合に注意してください。
との事。とりあえず3にしてみています。
癖が無く非常に良い音を出してくれています。
音場の広さもL70と併用していますが、特に狭さも感じず問題無し。
使っていて気になる点は本体のみの設定はボリュームボタン押し込みで行う訳ですが、戻るボタンが無い為デフォルトの表示に戻るにはボリュームボタンを長押しするのですが、長押ししすぎると電源と併用なので電源が落ちます。(慣れれば問題無し)リモコンを使えばすぐに戻れるだけに少し残念。気になる点は今のところそれくらい。
※ファームウエアのアップデートがあり、Ver1.01がリリースされています。
アップデート内容は公表されていませんが、問題無く動作しています。
ファームウエアのアップデート方法は簡単で、背面の主電源スイッチを切ってから、主電源スイッチ を押すと同時にボリュームボタンを長押しするとPCとのUSB接続でストレージが現れます。マイコンピューターなどから該当するドライブにSMSLのサイトからダウンロードしたファイルを解凍し、該当のファイルをコピーし、コピーし終わったら本体の電源を切り、再度電源を投入するとアップデートの状態表示になります。アップデートは本体の故障を起こす可能性のある行為ですので、動作に問題が無い場合は無理して行わないでも良いと思います。(実施する際は自己責任でどうぞ。)